そば農家の手仕事
そば農家が営む蕎麦処。
孫の勢士がメインでそばを栽培する「友田農園」。蕎麦店が多く立ち並ぶ三瀬・富士町でも、そば畑を持つ蕎麦処は、木漏れ陽だけ。リスクを回避するために、富士町の山間部だけでなく、平地でも栽培しています。天候が安定しない山間部、比較的安定している平地でも管理方法が違うため、目が離せません。
お金だけの話をすると、国産のそば粉を製粉会社から購入した方が、かしこいやり方かも知れません。雨の日も風の日も、畑に立ち、汗をたらし、多くの時間を費やす必要もなくなります。
「それでも、この地に古くから伝わる在来種「北山そば」を次の世代へ残したいという強い気持ちがあるんです。ここ数年の異常気象で、そばの栽培は難しくなってきています。正直、大雨や高温に心が折れることも。だけど、農家として諦めたくない、種を絶やしたくない。」そんな気持ちで、今日も畑へ向かうのです。
そして、もうひとつ、自分たちの手でそばを育てる理由があります。それは食べてくれる人と、まっすぐな気持ちで向き合いたいから。遠路はるばる足を運んでくださった喜び、厳しくも優しく包んでくれる自然への感謝は、自分たちの手でつくったものだからこそ届くと信じています。また、木漏れ陽で使用するそばは、完全無農薬で栽培しています。食の安全も感じていただけたら幸いです。