そばの芽、木漏れ陽のもうひとつの主役。

「木漏れ陽に来て、初めてそばの芽を食べた」というお客さまの声をよく耳にします。それもそのはず、そばの芽は保存が難しい作物。鮮度が落ちるスピードが早く、新鮮な状態を保ちながら流通させるのが難しいのです。食べられるのは、収穫後2~3日程度。木漏れ陽では、その日に食べる分を収穫し、新鮮な状態でサラダやジュースとしてお出ししています。

そんなそばの芽は、栽培も難しく、ひと工夫もふた工夫も求められます。土に撒いた種から芽が出て、5日ほどで収穫できますが、そばの芽は人間に例えると「赤ちゃん」つまり、いちばん手のかかる目の離せない時期。それを毎日、管理、収穫するのだから、その苦労はひとしおです。それでも、そばの芽を育て、提供し続けるのは、「栄養がたっぷりのそばの芽を、たっぷり食べて欲しいから」食べてくれる人のことを思い浮かべながら、燃料費がかかる寒い冬の日も、こまめな水やりが欠かせない暑い夏の日も、そばの芽と向き合っています。

体にもおいしい食材、そばの芽。

鮮度の維持が難しいそばの芽。だからこそ、産地まで足を運んで食べるだけの価値があります。それに加えて注目して欲しいのが、高い栄養価です。研究機関に分析を依頼したところ、ビタミンや鉄分などの健やかな生活に欠かせない栄養が豊富で、優秀な食材ということがわかりました。さらに、良い数値を見せてくれたのが「ルチン」です。ルチンは、ポリフェノールの一種で抗酸化作用を持ち、毛細血管の強化や動脈硬化、脳卒中の予防に効果があり、血圧降下の作用も期待できます。

そんなそばの芽を大切に育てる友田家では、食卓にそばの芽が登場することも多く、友田家の人々の健康は、そばの芽のおかげといっても過言ではありません。木漏れ陽を訪れるお客さまにも、栄養を逃さない新鮮な生の状態で、たくさん食べて欲しいと願っています。

ありったけのそば料理を。

新そばの時期はテーブルにお出しする蕎麦をよく見ると少し青みがかっているのに気づくかも知れません。これは「青刈り」と呼ばれる完熟前の香りが強い青い実と、熟れた甘みの深い実をブレンドしているから。そばが持つ、香りと甘みをお楽しみください。寒い冬場に冷たい蕎麦が苦手という方は「釜あげそば」がおすすめです。また、そば粉を水に溶き、薄くのばして具材とともに焼き上げたガレットもオープン当初から根強い人気メニューです。モチモチした食感の生地でベーコン、チーズ、きのこなどの具材を包んで食べれば、そばの新たな魅力が発見できます。そば農家が営む蕎麦処だからこそ堪能できる「そば農家料理」をお届けします。